土木・建築系

土木・建築系

建築・都市系は個人の住宅から都市全体のデザインまでを行う学科です。建築の学科は建築士の資格を短期間に取得できるという特色があります。土木系は,「3K」という評価が出てきてから,「都市」・「社会」という名称をとる学科がほとんどになりました。でも,最近は「土木」という名称に戻す大学(信州大学や名古屋大学)が出てきています。土木系も建築系も,「環境」には強く関わっています。他の分野とは違って,工学部があるのに「建築」「土木」系の学科を持たない大学があることに注意してください。
 また,通常は2年生になるときに「建築」か「都市(社会)」系かを選択することになります。確実に建築系に進みたい場合は,名古屋工業大学,三重大学,信州大学を受験してください。もちろん,その逆に土木系に確実に行きたい場合は,岐阜大学,名古屋工業大学,金沢大学,信州大学を受験すれば良いわけです。


建築系

建築は個人の住宅,インテリアのデザインから,都市レベルでの住環境のデザインを担当しています。構造物としては,ナゴヤドームくらいが最大のものになります。
 第1級建築士は2年間の実務経験を積んだ後に受験できます。(土木系でも昔は大丈夫だったのですが,ある事件以来不可能になってしまいました。) 名古屋工業大学では,インテリアだけではなく工業製品全般のプロダクトデザインまで研究していく「デザイン」分野も含めています。建築系は大学によって雰囲気がかなり違います。工学部の建築は構造系(耐震や免震などの,丈夫な建物の設計技術を学ぶ分野:要するに力学の世界です)が主力で,意匠系(芸術性について学ぶ分野)には力を入れていないところが多いのです。建築士の試験を通るためには,構造系の問題が一番の関門ですからしょうがない部分もありますが,建築家は芸術家であるという考え方もあります。そう考えている学生が,ガチの構造系の建築に進むと,かなりがっかりすることになります。構造系と意匠系のバランスに関しては,大学によってかなり違います。(はっきり言ってしまうと,名古屋工業大学と豊橋技術科学大学以外は,がちがちの構造系です。名古屋市立大学の芸術工学部は,その逆で構造系の先生はあまりいません。) オープンキャンパスを通して,各大学のスタンスを確認して,自分の気持ちにあった建築を選んでください。


LinkIcon名古屋大学 環境土木・建築学科
LinkIcon名古屋工業大学 社会工学科建築・デザイン分野
LinkIcon三重大学 建築学科
LinkIcon豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系
LinkIcon福井大学 建築建設工学科
LinkIcon信州大学 建築学科

土木系

土木はダム,橋,高速道路などの巨大構造物を扱う学科でした,最近は,このような巨大構造物の要求はかなり減ってきているので,かなりイメージチェンジをしています。「安全で快適な都市のグランドデザイン」をする学科になっています。昔もそうでしたが,環境についても非常に力を入れている学科です。「地震」・「台風」・「洪水」などの自然災害に強く,住人にとって快適であり,かつ地球環境に優しい街作りに取り組んでいます。
 東日本大震災は大きな被害を受けました。でも,地震そのもので倒壊したビルや高速道路はほとんどありません。阪神大震災の教訓を耐震補強に生かしたからです。東日本大震災では予測不能な大津波により大きな被害を受けました。土木系はこの問題に全力で取り組んでいます。安全な街作りを共に学んでいって欲しいと思います。(とても面白く・・素晴らしい分野ですよ! でも,少しだけ言うと・・数学と物理の得意な人が来てくれるととてもうれしいと思います。) それに,自民党が政権を取ってから,土木の技術系の公務員(国土交通省や地方自治体)の採用数はかなり増やすことになっています。特に,女性を採用したいと言うことで,愛知県などは土木学会と提携して,女性をターゲットとした広報活動を展開しています。(もちろん,男性にとっても採用数はかなり増えますから,公務員になる大きなチャンスです。)

 国立大学でも様々な名称の学科がありますから,注意してください。


LinkIcon名古屋大学 環境土木・建築学科
LinkIcon名古屋工業大学 社会工学科環境都市分野
LinkIcon岐阜大学 社会基盤工学科
LinkIcon豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系
LinkIcon福井大学 建築建設工学科
LinkIcon金沢大学 環境デザイン学類
LinkIcon信州大学 土木工学科

Tips
津波と波浪の違いってわかりますか? 東日本大震災のときに「黒い山のような波が来た」という表現を聞いた人は多いと思います。でも,台風が来たときの海岸に打ち寄せる波は白いですよね・・
波長が大きく違うのです,台風の時の波浪はせいぜい波長は数十メートルくらいですが,東日本大震災の津波の波長は10 km 以上のものがありました。波長が大きくなるほど,海水のより深い部分まで動かす(巻き込む)ことになります。ですから,津波は海底の泥などを大量に含んだ波になり,黒く見えるわけです。また,津波は沖合では速度は速いけれども波高は小さいのですが,海岸に近づくにつれて速度は遅くなり,波高は大きくなります。リアス式の海岸だと,様々な津波の波状攻撃をうけることになります。ですから,あれだけ大きな被害が出たのです。

更新情報

2013.03.22
旧サイトからリニューアルしました。